太陽光発電

蓄電池とパワコンの関係とは?「単独型」と「ハイブリッド型」どっちを選ぶべき?

札幌市をはじめ北海道各地で太陽光発電・蓄電池の施工を行っているスマエネライフです。いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます!

「そろそろ我が家も蓄電池を…」と検討を始めたものの、「容量」や「メーカー」選びで悩んでいませんか? 実は、後悔しない蓄電池選びのためには、もう一つ、絶対に知っておくべき重要なキーワードがあります。それが「パワコン(パワーコンディショナ)」です。

「パワコン? 太陽光発電の機械だよね? 蓄電池と関係あるの?」

「なんだか難しそう…」

そう思われるかもしれません。しかし、このパワコンと蓄電池の組み合わせ方(連携方法)によって、システムの効率や導入費用、そして将来の拡張性が大きく変わってくるのです。

今回の記事では、蓄電池選びの隠れた主役である「パワコン」との関係、そして大きく分けて2つある「単独型」と「ハイブリッド型」というタイプの違いについて、専門家の視点で分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、あなたのご家庭に最適なシステム構成が見えてくるはずです。ぜひ最後までお読みください。

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1. まずは基本をおさらい 「パワコン」って何?

「パワコン(パワーコンディショナ)」とは、簡単に言うと「電気の種類を変換する機械」です。

太陽光パネルで発電された電気は「直流(DC)」という種類ですが、私たちが家庭で使う家電製品(テレビ、冷蔵庫、照明など)は「交流(AC)」の電気で動きます。そのままでは使えない「直流」の電気を、家庭で使える「交流」に変換する。この重要な役割を担っているのがパワコンです。太陽光発電システムには必ずこのパワコンが設置されています。

蓄電池にも「変換」が必要

実は、蓄電池も「直流(DC)」で電気を貯めたり出したりします。つまり、太陽光発電と同じように、家庭で使うためには「変換」が必要になるのです。

ここが重要なポイントです。

「太陽光発電の電気」と「蓄電池の電気」。この2つの「直流」を、どのように「交流」に変換して家庭に届けるかによって、蓄電池のタイプは「単独型」と「ハイブリッド型」に分かれるのです。

2. 2つのタイプを比較!「単独型」と「ハイブリッド型」

それでは、それぞれの特長を見ていきましょう。

タイプ① 単独型(フレキシブル型)の蓄電池

一言でいうと「既存の設備を活かしたい方向け」のタイプです。「単機能型(たんきのうがた)」とも呼ばれます。こちらは、すでに太陽光発電を設置済みで、「太陽光のパワコンはまだ使えるから、蓄電池だけ追加したい」という場合に選ばれることが多いです。 

仕組み

太陽光発電用のパワコンとは別に、蓄電池専用のパワコン(またはそれに準ずる変換機能)を新たに設置します。つまり、システムの中にパワコンが2台ある状態になります。

電気の流れ

  1. 太陽光パネル(直流) → 太陽光用パワコンで「交流」に変換
  2. 家庭で「交流」として使用(自家消費)
  3. 余った「交流」の電気を、蓄電池用パワコンが再び「直流」に戻して蓄電池に貯める

上記をご覧いただくと、発電された電気の変換回数が多く少々複雑になることがお分かりいただけるかと思います。

メリット

  • 導入が手軽
    既存の太陽光発電システム(パワコンのメーカーなど)に関わらず、後付けで設置しやすい点が最大の特長です。
  • 既存設備を活かせる
    まだ使える太陽光用のパワコンを交換する必要がないため、その分の費用を抑えられる場合があります。

デメリット

  • 変換ロスが多い
    上記の電気の流れを見て分かる通り、「直流→交流→直流」と変換を繰り返します。変換するたびに少しずつ電力が失われる(変換ロス)ため、システム全体の効率は少し下がってしまいます。
  • 設置スペース
    パワコンが2台になるため、その分、設置スペースが必要になります。

タイプ② ハイブリッド型の蓄電池

一言でいうと「効率重視の新設や交換時期の方向け」のタイプです。

これから太陽光発電と蓄電池を同時に設置する方や、「太陽光のパワコンがそろそろ交換時期」という方に、現在主流となっているのがこちらです。

太陽光パネル自体は20年、30年と長く使えると言われていますが、パワコンは精密な電子機器です。一般的に、その寿命は「10年〜15年」と言われています。設置から10年近く経過している場合、今は問題なく動いていても、近い将来に故障や交換の時期が訪れる可能性が高くなります。

もし「単独型」の蓄電池を後付けした直後に、既存の太陽光用パワコンが故障してしまったらどうなるでしょうか。結局、パワコンの交換費用と工事費が別途かかってしまいます。それならば、蓄電池導入のタイミングで、思い切って「ハイブリッド型」にまとめて交換してしまう方が、長期的なコストを抑えられ、システム全体も新品になるため安心感が違います。

仕組み

太陽光発電と蓄電池、両方の電気を1台でまとめて管理・変換できる「ハイブリッドパワコン」を使用します。システムの中のパワコンは「1台」で済みます。

電気の流れ

  1. 太陽光パネル(直流) → ハイブリッドパワコンへ
  2. 蓄電池(直流) → ハイブリッドパワコンへ
  3. ハイブリッドパワコンが、必要な分だけ効率よく「交流」に変換して家庭に送る

ハイブリッド型は電気の通り道がシンプルです。無駄な変換が少ない分、効率よく電気を使えます。

メリット

  • 高効率(ロスが少ない)
    電気の変換回数が最小限で済むため、変換ロスが少なく、発電した電気を無駄なく効率的に使えます。これが最大のメリットです。
  • 省スペース&見た目もすっきり
    パワコンが1台で済むため、設置スペースを抑えられ、見た目もすっきりします。
  • 連携がスムーズ
    太陽光と蓄電池を1つの頭脳(ハイブリッドパワコン)で管理するため、充電・放電の連携が非常にスムーズで最適化されます。

デメリット

  • 初期費用がかさむ場合がある
    既存のパワコンを撤去して新しいハイブリッドパワコンを導入するため、機器代や工事費が単独型より高くなることがあります。

電気自動車も接続できる!最新の「トライブリッド型」

最近では、太陽光発電と蓄電池に加え、電気自動車(EV)への充電設備(V2H)まで1台のパワコンでまとめて制御できる「多機能型(トライブリッド型など)」も登場しています。

このタイプは、機器間をすべて「直流」でつなぐため変換ロスが少なく、電気を無駄なく使えることが特長です。また、「今はEVがないけれど将来は欲しい」という場合でも、あとから必要になったタイミングにV2Hスタンド(充放電設備)を追加できるため、将来のライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる選択肢と言えます。

3. 結論 おすすめは「ハイブリッド型」ですが…

ここまでご覧いただいたように、効率の良さや省スペース性、将来的な運用を考えると、基本的には「ハイブリッド型」がおすすめです。

特に、私たちが暮らす北海道において、この「変換ロスが少ない(高効率)」というメリットは、本州以上に大きな意味を持ちます。

冬の北海道では、連日の雪や曇り空で、太陽光発電が思うように発電できない日がどうしても多くなります。そんな中、時折訪れる貴重な晴れ間に発電された電気を、変換ロスの多いシステムでみすみす減らしてしまうのは、非常にもったいないことです。

寒さの厳しい冬があるからこそ、限られた日射で生み出したエネルギーを、一つも無駄にすることなく効率よく使い切りたいものです。その願いを叶えるためには、高効率なハイブリッド型は非常に理にかなった選択肢と言えるでしょう。

これから太陽光発電を始める方や、既存のパワコンが古くなっている方には、迷わずハイブリッド型をおすすめします。

しかし、ハイブリッド型にも「デメリット」が全くないわけではありません。

先ほど少し触れたように、既存の太陽光発電システムに後付けする場合、「機器代金+交換工事費」がかかるため、単独型を導入するよりも初期費用が割高になるケースがあります。

「まだ使えるのにもったいない…」「初期費用は少しでも抑えたい…」

そう考えるお客様にとっては、この「コスト」が導入のハードルになることも事実です。ハイブリッド型の導入費用や既存パワコンの交換タイミングについての詳しいお話は、ご自宅によってケースバイケースになりますので、詳しくは施工会社へご相談ください。

具体的なケースでシミュレーション

「理屈はわかったけれど、結局うちはどっちが良いの?」と迷われている方もいらっしゃるかもしれません。具体的なケースで考えてみましょう。

ケースA 築15年、太陽光設置済み。パワコンの調子がたまに悪い

この場合は「ハイブリッド型」への切り替えがおすすめです。パワコンの寿命が近づいているため、単独型を入れてもすぐにパワコン交換の費用が発生する可能性が高いです。まとめて一新することで、効率も安心感も手に入ります。

ケースB 新築でこれから太陽光と蓄電池を入れる予定

迷わず「ハイブリッド型」がおすすめです。最初から効率の良いシステムを構築できます。

ケースC 築7年、太陽光設置済み。パワコンはまだ元気

ここが一番悩みどころです。効率を重視するなら「ハイブリッド型」ですが、まだ使えるパワコンを捨てるのがもったいないと感じる場合は、初期費用を抑えられる「単独型」を選ぶのも一つの正解です。ご予算と将来設計に合わせて検討しましょう。

まとめ ご家庭の状況に合わせた選択を

今回は、蓄電池選びで押さえておきたい「パワコン」との関係、そして「単独型」と「ハイブリッド型」の違いについて解説しました。

  • 単独型
    既存の設備を活かして手軽に蓄電池を後付けしたい方向け。変換ロスは少し多め。
  • ハイブリッド型
    効率重視の方、太陽光発電と蓄電池をセットで新規導入される方や、パワコン交換時期の方向け。ロスが少なく高性能だが、初期費用がかさむ場合もあり。

どちらの選択がご家庭に最適かは、お客様の現在の設置状況(太陽光の有無、パワコンの年数)や、何を優先するか(効率、コスト、手軽さ)によって変わってきます。

「うちはどっちが良いの?」「うちのパワコンはまだ使える?」

そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ一度スマエネライフにご相談ください。専門のスタッフがお客様の状況を詳しくヒアリングし、現地調査を行った上で、最もメリットのある最適なプランをご提案いたします。北海道内でのご相談・お見積もりは無料ですので、お気軽にお問い合わせください!

スマエネライフでは、お客様の現在の設置状況(太陽光パネルのメーカーや設置年数、パワコンの型番など)を丁寧に確認させていただき、最も無駄のない最適なプランをご提案いたします。「我が家の場合はどっちがお得?」「概算の見積もりが知りたい」など、どんな些細なことでも構いません。札幌市をはじめ、北海道内でのご相談やお見積もりは無料で承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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上記のほか、「これについて聞きたい」「調べてもわからない」といったご購入検討前のご質問も大・歓迎です!

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